TORRES BLANCAS BUILDING / MADRID


@ madrid / saenz de oiza


architect: saenz de oiza
location: Corazon de Maria 2 c/v Av.de America 37 [metro Avenida de America_L4.6.7.9] madrid
construction: 1961-1968

date: 2001 - 2004


マドリッド随一のモダニズム建築として名高いトレス・ブランカス(*白い塔の意味)。

遠方を訪れる際に利用するアベニーダ・デ・アメリカのバスターミナル付近に建っているため、
どこに行った時だったか忘れたけど、旅行に出る際に見かけ、帰った足ですぐさま見学に訪れた、
そういう建物です。

日本がバブル全盛の時はこの建物の屋上にあったレストランに、よく日本人が
出没していたらしく、海抜の高いマドリッドで、なおかつ一番高い場所に位置する建築だと言われ、
真偽の程は定かじゃないですけど、なるほど高いところにあります。




地下鉄構内から地上へ。街の雑踏のなか、ニョキッと現れる。





大木の幹を思わせる出で立ち。前を走る道路は長距離線に繋がる。
交通量がかなり多い。




見上げ。この建物を前に写真をとろうとすると(もちろんカメラにもよるが)限界があるため、
あえなく見上げを撮る羽目になるのだけど、この建物は見上げに対する処置がきちんと施されている。
日照に関係なくこれほどまで陰影のつく高層建築も珍しいのでは。




規則的な数パターンの平面を階ごとに回転・反転させることで不規則な外観を生み出している。




ふと前に目線を這わせると、ちょっと汚く黒ずんでいる。
現在、コンクリート壁面を補修清掃中とのこと。





足元はこんな感じで少し浮かせる。
平面上のボキャブラリーである円が、門、飛び石、天窓から取っ手、窓に至るまで、
くまなく使用されていて、こういうのは見ていて気持ちがよいです。





内部に入り込んで階段見上げ。
エレベーターで居合わせた住人の意見を聞くに、全てが円で構成されているため、実用性に欠けるとのこと。
家具を一つ置くにしても問題がある、というが、でも気に入っているという。

この建物は少し前に設備面の問題で取り壊しが取り沙汰されてたのだが、住民の反対から事なきを得た。
問題だらけだけど、住みたいと思わせる魅力が満々ている、ということだと思う。





地上から生え出たような力強い建築には、肌理の粗いコンクリートが似合う。




モダニズムを必死に追いかけたオイサの傑作と評される。
デザインの出自においてあらゆる面でコルビュジェともライトとも、サーリネン、
ウッツォンなどの影響を受けたともいわれます。
しかしもっと大事なのは、木の幹構造、という初動が貫かれたことだ。





■マドリッドを代表する建築の一つ。東京での代々木体育館、みたいな。
いまの僕の住処からも窓越しに見える建築で、60年代を代表するマドリッドの、
いや、スペインの建築です。



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